神前式の魅力について
日本には初詣、厄除け、お宮参り、七五三、各種祈願など、節目節目で神社に詣でる習慣があります。そのため神社は、両家のつながりや家族・友人との絆を再確認するのに、相応しい場所といえます。
神前式の魅力としては、
- 純日本風の厳かな雰囲気
- 和装が映える
- 両親や親族にも受け入れられやすい
- 誓いの言葉を読み上げる「誓詞奏上」など、新郎の活躍の場がある
- 神前式ならではの儀式がある(雅楽の演奏、巫女の舞、親族固めの盃など)
などが挙げられます。日本人に馴染みやすい、伝統や雰囲気が神前式にはあるんですね。 現在では、一昔前に比べてオリジナル性のある式を挙げられる神社も増えてきており、形式ばった儀式に代わって現代風の演出を取り入れられるようになりました。 こう言ったことから、 伝統的な結婚式にしたい新郎新婦や、新しいスタイルの式を要望する新郎新婦にも神前式が選ばれているというわけなのです。
幸せ結婚式レポート
~憧れの神前式編~
ここでは「神社結婚式.jp」をスポンサーとし、本サイトを運営する「Zenken」が東京都内で憧れの神前式を挙げられた小山美樹(仮名)さんを取材。
素敵な神社と披露宴会場の探し方、挙式・披露宴までの準備の流れ、当日の様子やゲストからもらった嬉しい声など、レポート形式で教えていただいた内容を紹介しています。
神前式が気になっている方、教会式・人前式・神前式のどれにしようか迷っている方は、挙式をシミュレーションするための材料にしてみてください。
神前式に憧れはあるものの、そもそも何を準備したり気を付ければ良いのかわからない…という方向けに、神前式のイロハを解説しています。
協会式との違い、適切な衣装・ヘアスタイル、式場の選び方、費用の問題…。どれも神前式を挙げようと考えるなら知っておきたい情報です。
神前式
新郎と新婦の家と家を縁で繋ぐという考え方で行われる式。両家の親族が参列し、神殿に祀られている神を前にいくつかの儀式を経て結婚を報告します。
- 費用
5~15万円程度 - 衣装
基本的には和装 - 参列者の平均
5~20人程度
(40名ほどの所もあり)
教会式
神聖なチャペルで牧師を証人として行われる儀式。ウェディングドレスとタキシードを着用して、讃美歌や聖書の朗読などを行います。
- 費用
10~20万円程度 - 衣装
ウェディングドレス - 参列者の平均
20~30人程度
人前式
近年増えている自由なスタイルの式。宗教に関係なくオリジナルのやり方で参列者に結婚の証人となってもらいます。ゲストと一体感がありパーティーのような形式で行われます。
- 費用
数万円~(実費) - 衣装
自由 - 参列者の平均
会場の大きさに合わせて自由
神前式で着る衣装は和装が一般的ですが、そのスタイルはさまざま。
テレビや雑誌でよく見る白無垢以外にも、色打掛、引き振袖(本振袖、大振袖、黒引き)、十二単衣などがあります。
新郎新婦さんの衣装について解説しているので、二人で一緒に読んでくださいね。
※ちなみに洋装は珍しいですが、タブーという訳ではありません。
白無垢
室町時代から伝わったとされている伝統的な婚礼衣装。白で統一された和装で汚れのない花嫁を意味します。
色打掛
白以外の色合いを使った鮮やかな着物。縁起物の刺繍や織模様を入れたものでお色直しなどに使われます。
引き振袖(本振袖、大振袖)
裾を引きずって歩く、江戸時代から続く格式の高い和の礼装。裾に綿を入れて少し膨らませてあります。
引き振袖、黒引き
武家の娘の婚礼衣装に使われていた黒地に華やかな柄の入った正式な婚礼衣装。裾を引きずって歩きます。
十二単
平安時代の伝統衣装で皇族の方の婚礼に使われています。色を重ね荘厳で重厚感がある雅な衣装です。
衣冠束帯
十二単に合わせた平安時代の男性の衣装。独特の格調高い衣装ですが、現代には馴染めない人もいるようです。
紋付き羽織・袴
家紋を施した五ツ紋が正装とされ、最近は黒やグレー、白などがあります。色紋付きは略礼装とされます。
神前式を挙げる花嫁さんがする人気のヘアスタイルについて紹介していきます。ヘアスタイルは大きく4種類があり、見た目が全く違います。ちなみに白無垢を着る場合は「文金高島田」が普通ですが、それ以外の衣装については、最近では洋髪もタブーではありませんよ。
文金高島田
トップを膨らませた島田髷と鬢と呼ばれる両サイドと前髪を膨らませた伝統的な和式のスタイルです。
洋髪
近年和装に合わせて増えてきたアレンジヘアにコサージュや生花をあしらった華やかなスタイルです。
角隠し
角を隠して従順になるようという意味で文金高島田に巻き、かんざしなどが美しく映える帯状の白い布。
綿帽子
白無垢の時に文金高島田を額まですっぽり覆う白い袋状の布、花嫁の初々しさを表しています。
協会式や神前式に関わらず参列人数、演出内容、予算など、すべての結婚式に共通するポイントがあります。
それに加えて、神社の雰囲気、プラン内容、衣装といった神前式ならではの選び方も。
それぞれどのようにチェックすべきかをまとめました。式の希望をあらかじめ具体的にしておくことで、準備もスムーズに運べますよ。
神前式にかる費用は、だいたいどのくらいなのでしょうか?合計の費用や、新郎新婦の衣装やヘアセット代などの内訳について解説しています。
神前式では神様に納めるお金として初穂料・玉串料があり、神社によって様々ですが10万円前後を納めるのが多いようです。神社で披露宴を行う場合やプランによっては、初穂料・玉串料はプラン内に含まれていることも。
神前式の流れ
神社ならではの独特な作法もある神前式。当日落ち着いてのぞめるよう、事前に式の流れを把握しておきましょう。
参進の儀
さんしんのぎ
神前式を象徴する儀式
神殿に入る前に手水で参列者の身を清め、神殿に向かって、優美な笛の音が響くなか行列して歩きます。神職や巫女さんに先導され、新郎新婦と列席者が列になります。もし雨が降った場合は、参進では和傘などで対応します。写真も心配になるかも知れませんが、雨のなか和傘を差しながらする参進も、美しく映えますよ。
修祓の儀
しゅばつのぎ
身を清めるためのお祓い
挙式を始める前に新郎新婦と参列者全員が頭を垂れて、斎主より身を清めるためのお祓いを受けます。
祝詞奏上
のりとそうじょう
結婚報告と両家の幸せを祈る
祝詞は神様に伝える言葉で、斎主が神様に二人の結婚を報告し、永遠の幸せと両家の繁栄を祈る儀式です。
三献の儀
さんこんのぎ
夫婦の契りを結ぶ
三々九度ともいわれ三段重ねの盃で新郎新婦がお神酒を交わして夫婦の契りを結びます。新郎新婦が大きさの違う杯に注がれたお神酒を、小→中→大の順にそれぞれ3口で飲みます。もしお酒が飲めない場合は飲む真似をするか、お酒を水と差し替えることもできます。
神楽奉納
かぐらほうのう
新郎新婦の門出を祝う舞
雅楽に合わせて巫女が新郎新婦の門出と両家の繁栄を祈るための豊栄の舞を踊り奉納します。
誓詞奏上
せいしそうじょう
夫婦になる誓いの読み上げ
神前で一礼した後、新郎新婦が夫婦になる誓いの言葉である誓詞を神様に読み上げる儀式です。新郎が読み上げ、最後に新婦が「妻○○」と名を読むのが主流。神社によっては二人で誓詞を読み上げることができたり、新郎新婦で誓詞を考えるところも。 誓詞の内容は「結婚の報告・夫婦の誓い・締めの言葉」で構成され、神社によって詞が違います。
誓詞(赤坂氷川神社の場合)
今日の吉日(よきひ)に 大神の大前に於(お)いて私(わたくし)どもが結婚式を挙げ得ました事を心から感謝し今より後(のち)は 相(あい)和(わ)し 相信じ 苦楽を共にし終生変わらぬことを茲(ここ)にお誓い申し上げます
平成○年○月○日夫:○○○○(氏名)妻:○○○○(名)
引用元:赤坂氷川神社公式サイト|誓詞【PDF】(https://www.akasakahikawa.or.jp/files/oath_jp.pdf)
玉串奉奠
たまぐしほうてん
お願いを神様に捧げる儀式
神様と人を繋ぐ意味合いを持つ榊の小枝に紙垂を着けたものを神前に向けてお供えする儀式です。
1.神職から玉串が新郎へ、次に新婦に差しだされます。受け取る前に軽くお辞儀をします。受け取る際は右手で玉串の根元(下の方)を上から持ち、左手を葉先(上の方)の下に添えます。玉串を胸位の高さに持ち、葉先がやや高くなる様に整えます。
2.新郎新婦が一緒にご神前へ進み、玉串案という台の一歩手前で止まります。神前へお辞儀をしたら、玉串を時計回りに回し、手前に根元を持ってきます。神前に向かい玉串を立てた状態で目を閉じ、祈りを込めます(これが祈念と言います)。
3.祈念を込めた玉串の根元から右手を離し、玉串の中心辺りを下から持ちます。この際右手が左手より上に来ないようにしましょう。左手を葉先から離したら、根元を下から支えます。玉串を時計回りにして、根元をご神前へ向けます。
4.左足を先に一歩前へ出し、右足を揃えて姿勢を正します。玉串案の台に玉串を置きます。右足を先に一歩下がり、左足を揃えて姿勢を正します。
5.最後に、新郎新婦と参列者全員でタイミングを合わせて「二礼・二拍手・一礼」をし、最後にもう一度礼をし、右足から退いていきます。これで玉串奉奠の流れは完了です。
指輪の交換
形ある夫婦の誓い
新郎新婦で結婚指輪を交換します。これは演出のため、場合によっては披露宴で指輪交換を行うこともあります。
親族杯の儀
しんぞくさかずきのぎ
両家が親族になった誓い
参列者全員が盃でお神酒をいただきます。両家の縁を結ぶための儀式とされ三々九度の要領でいただきます。
斎主挨拶
婚礼が整った挨拶と祝福
式が滞りなく終了したことを斎主が神前に報告し、参列者全員で神に拝礼してお祝いとします。
退場
順を守って退下
神前に拝礼後、巫女や介添え人の先導で斎主を先頭に新郎新婦、媒酌人、両親、親族の順に退下(たいげ)します。式によっては退場前に、親族の紹介を行なうことも。退場後は集合写真や記念写真を撮影していきましょう。
(新郎新婦)結婚式の下見はできるの?
神社での神前式は一般のお客様も参拝する神殿(拝殿)で行われることが多いため、タイミングがあえば実際の結婚式を見ることができます。ブライダルフェアなどもおすすめ。
(新郎新婦)神前式でやってはいけない所作は?
神前式に限らず一般的なマナーとして、畳の縁を踏むのは失礼です。また、神前に拝礼するときの二礼二拍手一礼などの基本的な知識は前もって知っておきたい物です。
(新婦)妊娠中に白無垢などの和装はできる?
妊娠中の大きくなったお腹でも、着物は関係なく対応できます。白無垢や打掛の下に着る掛下を簡易のものにすればさらに歩きやすく苦しくないのでおすすめですよ。
(新婦)白無垢で長距離移動はキツイ?
白無垢には大抵文金高島田を着けています。そのため高さがあり一般の車では厳しいことも。その時は花嫁専用車やワゴンがおすすめ。あまり長距離だとずれてしまうことも。
(ゲスト)挙式だけ参加するのはありですか?
もちろん式のみ参加もOKです。その際には前もって披露宴は欠席の連絡をしておきます。ご祝儀の金額は、最低でも1万円程度を用意すると良いでしょう。